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健康情報

腎動脈拡張術がもたらす危険性


閉塞した腎動脈を拡張する血管形成術およびステント留置術によって、多量の血栓の破片(浮遊物)が生じて腎機能に障害を来す可能性のあることが、米ウェイクフォレスト大学Baptist バプテストメディカルセンター(ノースカロライナ州)のMatthew Edwards博士らの研究により示され、医学誌「Journal for Vascular Surgery」6月号で報告された。このような処置で浮遊物がどのくらい生じるのかを顕微鏡レベルで示したヒトでの研究は、今回が初めてだという。

腎動脈の血管形成術およびステント留置術では、まずバルーンを挿入して動脈を広げ、次にその状態を維持するための管を留置する。この処置は心血管に実施される同様の手術に比べるとあまり注目されないが、米国では毎年推定4万〜8万人がこの治療を受けているという。この処置の主な目的は、閉塞による高血圧を緩和することで、最終的な目標は腎不全の予防である。

今回、研究チームは血管形成術を受けた患者28例について、ステント留置後に血液検体を採取。検査の結果、検体中に平均2,000個の浮遊物粒子がみられ、中には腎臓の小血管を閉塞させるほどの大きさの粒子もあった。見つかった粒子の数とその後の腎機能には関連がみられ、浮遊物が多いほど、腎機能は不良であった。

同グループの過去の研究から、腎動脈ステント留置後に腎機能の低下があると、後の心臓発作、脳卒中および死亡のリスクが高くなることがわかっており、「患者の長期的な健康状態の悪化につながるものだ」とEdward氏は述べている。

また、術後の血液中の浮遊物を捕獲して除去する保護装置を用いても、浮遊物がみられることが判明した。研究グループが使用したのは、現在試験段階にある装置のうちの一つで、米Medtronicメドトロニック社の設計によるもの。現在、米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けている装置はないが、いずれはこのような装置が医療現場で使用されるようになると思われる。

一方でEdwards氏は、ある特定の種類の脂肪プラークが、他のものに比べて特に多量の浮遊物を発生する点を指摘。将来は、術前にこの最も危険なタイプを特定できることをEdwards氏は期待している。頸動脈についてはすでにMRIと超音波を用いた研究から、浮遊物を生じやすいプラークが特定されており、同グループは現在、この点を探求する試験に取り組んでいるという。
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