| しわの治療に有効なボトックスを前立腺に直接注射することで前立腺肥大患者の生活の質(QOL)が向上するという知見が、米アナハイムで開催された米国泌尿器科学会(AUA)年次集会で発表された。 今回の研究は、標準的な治療で効果が得られなかった平均67歳の良性前立腺肥大症(BPH)患者37人を対象に、米ピッツバーグ大学メディカルセンターの泌尿器科教授Michael B. Chancellor博士らが台湾の長庚(Chang Gung)大学医学部と共同で実施したもの。BPHは50歳以上の男性に多く、80歳以上では80%の男性が罹患するといわれ、肥大した前立腺が尿道を圧迫し、頻尿や排尿困難などがみられる。 Chancellor博士らは、前立腺の大きさに応じてボトックス100〜200単位を超音波ガイド下で注射した。その結果、患者の約4分の3で30%の症状改善が最長1年間みられた。勃起不全や尿失禁などの副作用は認められず、続く6〜12カ月後でも一部の患者で最大15%の前立腺縮小効果が持続した。同博士らによると、この結果から、ボトックスがプログラム細胞死を促進し前立腺を縮小すると考えられるという。 米Memorial Sloan-Ketteringメモリアル?スローンケタリング癌(がん)センター(ニューヨーク市)のPeter T. Scardino博士は「ボトックスの働きは、前立腺の神経と筋緊張を弛緩させ尿流をよくするというもので、今回の研究結果には納得がいく」という見解だ。Chancellor博士は、BPHに対するボトックスの有効性を検討するための新たな世界規模の試験に着手しているという。 泌尿器腫瘍専門医の一人は、「現在は、薬物療法で効果がなければ、レーザー、マイクロ波、あるいは外科手術など侵襲的な方法で前立腺を縮小?除去する治療となるが、ボトックス法は低侵襲で、患者にとっては侵襲的な治療よりも選びやすく、斬新なアイデアだ」と述べている。 |
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